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上杉発言とアルジャジーラ


上杉隆はスゲエ奴だと思うけれど、「アジテーターだな」と言った誰かの呟きには同意する。

たぷんこういうモロにアジテーターという役どころは本人の趣味でもイマイチないんだろうなとは思うけれど、

権力機構に手っ取り早く揺さぶりをかけようと思うと、そういう役を演じる人間が一人二人は必要とされる。

実際に、ここ一、二週間で彼に代表されるフリー/独立系ジャーナリストたちの動きが

大きな反響を生みつつあるのは、総務省のみっともない自主削除勧告を見ても明らかだ。

そういう役を演じる人間が必要とされるのと同様に、アジテーターの表現を事実に応じて修正することも

世の中が変わるためには必要なんだと思う。


私はテレビでは主にアルジャジーラを見ているけれど、アルジャジーラですら原発報道に関しては

「極めて慎重」とでもいうところだと思う。

まず、原発事故発生直後、特派員たちは福島から退避して仙台その他からレポートを送っていた。

爆発の後は青森まで退いた。三月末も近くなってやっと、東京に戻ってきた。



アルジャジーラ・イングリッシュは最近の物凄いゴタゴタ

(コートジボワール内戦危機、スーダンの国民投票、チュニジア・エジプト・バーレーンで始まった革命の波、

リビア内戦勃発・国連軍事介入、そして日本の地震・津波・原発。

その間にちらちらとイラク、アフガニスタン、パキスタン、そしてイスラエルとパレスチナなんかが出てくる)

における自らの報道姿勢を問うドキュメンタリーをソッコー作って流した。

まだ三月下旬に入らないぐらいの頃。

その中で、「自分たちもワケがわからなかった。どこまで逃げれば安全なのか、本社にもわからなかった。

今になれば過剰反応をしたような気がする」と日本に送られた特派員が語っていた。



12日か13日か14日ぐらいの時点で、北アフリカの革命でウェブの声を拾いまくっている

アルジャジーラならばひょっとするとと思い、

独自の放射線測定と放射能の拡散予想を行ってくれるようメールを送った。


アルジャジーラのニュース編集部は、驚くほど原発に関して無知だった。

そしてさまざまな専門家を呼んだが、人によって言うことは実に様々だった。

最初はどの時間のニュースを見るかによって、真逆のことを言う専門家が現れた。

ホウ素を入れたから再臨界は起こらない、冷却すればいいだけだ、云々という人。

おそらく炉心が溶け出しており、近いうちに水蒸気爆発か水素爆発が起こる、

そうなったら大規模な放射能漏れが起こり作業員が作業を続けられなくなるから

六機全部が溶融し、チェルノブイリを遥かに凌ぐ大惨事になるという人。

12日の時点では全く原発に関して無知だったアナウンサーもしかし、

「我々も全くこれに関しては無知で、現在進行形で学んでいるわけですが」と言う頃には

ある程度の知識もつけていた。

さて、水素爆発が三度起こって三号機が爆発し、さらに使用済み燃料プールで火災が発生したとなったとき、

安全派はかなり立場を失った。

そこで出演の比重が危険派にいくらか傾いた。

つまり、少なくとも爆発を予見していた人々に傾くわけで、その中には

「チェルノブイリを遥かに凌ぐ大惨事になる。もう手遅れかもしれない」とはっきり言う人もいたりする。

あのヘリからの放水作業にはアルジャジーラのキャスターたちもかなり不安をおぼえたらしい。

「こいつらマジで自分が何やってるかわかってんのか?」と。



ところが、十八日頃を境に放射線量が安定傾向を見せ始めた。

たぶん記者の全てが最悪の可能性として思い浮かべはじめていた大爆発は起こらなかった。

そこで、「うわ……あれ、俺らやってもた?」感が生まれたんだろう。

何せ、話を大袈裟にして人々の恐怖をスキャンダラスに煽るのはFOX Newsの十八番であり、

アルジャジーラ・イングリッシュとFox Newsは対極にある存在にして最大の天敵だ。

もちろん、今回の原発危機に関してもFoxは煽りまくっている。



以来、アルジャジーラの原発報道は「極めて慎重」になった。

「原発で騒いでいる間に、今助かる命がおろそかになっている」と猛烈な反省があったらしい。

取材は被災者の生活や現状に重点が置かれ、原発の話題に関しては極めて慎重だった。

どうも、日本の政府や東電が恐ろしく悪質な隠蔽を行うことはうまく想像ができないらしく、

頼むから東電会見に入って現場を見てくれと頼んでみたが、その頃ぐらいから

逆にアルジャジーラの報道を追う時間がなくなったのでよくわからない。

しかしさっきも一応日本の話は出たが、

・海への汚染水の放出
・一部の被災者赤プリへ「アップグレード」
・アメリカから世界最大のコンクリートポンプ車の提供、来週輸送見込み

という三つの話題を極めて短く繋げただけのレポートだった。

たぶんだが、100Sv/hの話題には触れていないと思う。

ふだんのアルジャジーラならば、

「後に東電は計器の故障である可能性があると発表しました。

この測定値が測定器の限界値である可能性に関しては確認中とのことです」

ぐらいのことは言ってくれるハズなのだが。



あまりにニュースが多すぎて対応できていないのか、

実際に日本に入った特派員たちも、復興に向けて生まれているように見える国民の団結力を

乱すようなことを言ってはいけないような気分になっているのか、

原子力ロビーの力はここにまで及んでいるのか、

それとも事実より自分の「役どころ」-Foxの対極にあるべき存在--に関する認識に

縛られているのか。

どれもちょっとはあるんだろうな。




NYTimes(Foxの国内における天敵というところだろうか)の記事から得た印象も、

決して上杉氏の言うような論調ではなかった。

「海外メディアの反応」と上杉氏が言ったような報道をしているのは主にFoxだ。

元NY timesの上杉氏がFoxの論調を借りるということは、意図的に煽ってる証拠だろう。

ロシア系の新聞等にしても、東電および日本政府が犯した間違いの中で

確立されて公表されたものを批判するにとどめ、

さらなる情報公開と国際協調を求めるばかりで批難してはいない。

ざっくりとした印象だが、出てくるデータを分析するのに必死で、

どのような過程を経てそれらのデータが出てきたかに関しては

最近やっと気づき始めたというところじゃなかろうか。



今回翻訳したNY Timesの記事の語調は印象的だった。

たぶん故意に、どちらとでも取れるところにまとめている。

たとえばメルトダウンのシナリオは「一部の技術者たちが仮説化した」

という、「どちらかというとありそうもない話」的表現を使い、

それに対する専門家の反論も掲載してるのに、

「これに関して委員会からの言及はなかった」とわざわざ言う。

そこには、「委員会も現実にこういう話がそれなりのソースから

出てるんだから、それに関して言及してもいいんじゃないの?

否定するならはっきり否定しちゃえばいいじゃん」という意図が伺える。

たぶん、アメリカの原子力規制委員会も保安員と本質的には似たようなもんなんだろう。

いや、たぶんアメリカのんはメンバーが公務員じゃないから、ある意味もっとひどいのかも。

知らないけどメンバーが議員だったら、選挙費用だけで買えるし、アメリカの議員の多くはそれに買われる。

原子力ロビーが恐ろしく金を持っていることは間違いない。

その一方で、主流メディアの中にもそれなりのツッコミを早い時点で入れる人々がいる。

彼らが東電の会見を同時通訳で全部追っていたりしたならば、

今よりだいぶ早い時点で「gross incompetence」だとか「gross negligence」だとかいう言葉が

出てきていたはずだ。つまり、東電は恐ろしく無能であるか、故意に、人々へ与える損害も省みず

情報の隠匿を行っている、という論調が作られていただろう。



つか、海外メディアにとって日本の公務員体質って、どう報道していいか全くわかんないぐらい

意味不明なモノなのかもしれない。



まあ私が思うに(個人の意見です)このように不幸な偶然が重ならなければ、

上杉が言ったような論調が東電および政府に対してとられていた可能性は高い。

しかし現実としては今のところ、そういう報道をしているのはFoxだとかそのへんみたいで、

上杉が好むNY Timesやアルジャジーラなんかの左派系大手は慎重な表現をしているし、

海外は被災者と原発事故処理の加害者を見分けられる冷静さを保っている、と私は思う。

あ、でもドイツ系全然読んでねえなあ…。





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